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- 2021.08.24 Tuesday
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前回最後、「光の種類で色目が異なる」に少し触れましたね。
これは訳あり商品に限らず衣料購入の際にとても大切なことです。
本題の「訳あり商品の見分け方」に入る前に
今回は光についてもう少し掘り下げてみましょう。
はい。よろしくお願いします。
人工照明というのはそれぞれ、その使用目的に合わせて作られるわけです。
例えばお肉屋さんのショーケースには赤味の光。
野菜売り場では青味の光。
これが逆だと鮮度は著しく落ちたように見え、食欲をそそりませんね。
色の演出はそれだけ重要であり、また間違えればとんでもないことにもなります。
そうそう女性ならば、青白い「昼光色」の蛍光灯でメイクをした場合、
太陽光では本人が思った以上に赤味になる危険性があるんですよ。
私は若いころにこのような失敗がありました。
太陽光の入らないデパートで衣料を購入していた時のことです。
家に持ち帰り太陽光で見てはじめて、思った色と違うことに気がつくのです。
そういうことが続たため、衣料購入は表通りに面しているメンズショップに切り替えました。
その店は雰囲気を優先していたので店内の照明はシャンデリアや白熱電球でしたが、
購入時には必ず表に持って出て、色を確認したものでした。
しかし太陽光も厳密にいえば、時間帯や季節によって色の見え方(演色性)が異なります。
写真家は風景を写す際に、それによる色の差をカラーフィルターで補正します。
色の見え方は、人工照明となるともっと複雑です。
従来からの白熱電球・スポットライト・水銀灯。
また最近増えつつあるクルマのデスチャージ(白色)やLEDなど。
特に我々の生活に密着している蛍光灯だけでも
白色・昼光色・昼白色・電球色・自然色など、種類がことのほか豊富なのですね。
これら全て、色の見え方が異なるのは言うまでもありません。
前回小夏さんのおっしゃった「自然光で見られるのが1番」?
確かに「太陽光が正しい」としましょう。
しかし実際着物をお召しになるシーンというのは太陽光の下が多いのか否か?
そう考えれば着物を含めた衣料の試着室では、自然光はもちろん、
他に何種類かの人工照明の切り替えが可能な設備が必要なのではないでしょうか。
確かにそうですね・・・。
着物を着て行く場所、目的。
実に様々でその時々の光線の違いで色合いも違って見えるわけですね。
けれど、その着物を手にする時には着用場所のことまで頭が回りません。
手にした時に感じた色合いで判断してしまいますよね。
そう考えると、基準とするのは自然光での色合いが1番いいのかな・・・と思っていたのですが。
う〜ん。難しいですね・・・。
一応、私が着用するときには、屋外・屋内どちらがメインか、
また周りの環境・風景はどうかを考えるようにはしています。
食事などがメインの場合、最近は電球色のお店が多いですよね。
そんなことも頭の隅に置いてはいます。実際にはあまり深く考えたりはしませんが。
ところで染物の場合、光の種類が変わると
全てが赤味、青味、黄味などがかぶったように見えるわけではありません。
染料の種類が異なれば光の違いにより、個々の色の見え方も微妙に変わるのです。
例えば難を補正する染料は元の染めの染料とは異なるので、
光が変われば直した跡が見えてくることもあるのです。
我々がもっと意識しなければいけない問題なのですが、全てをクリアするのは難しいですね。
ですから難を出さないものづくり、
またその後の管理にも気をつけないといけないということです。
光の種類だけでなく染料の種類もですか!
色の見え方と言うのは実に複雑な要素を含んでいるのですね。
う〜ん。「これで解決!」と簡単にはいかない訳だぁ・・・。
また難を補正する際の染料と、元の染料との違いも「なるほど!」でした。
染め難を直すお仕事というのは、
色味だけでなく光線の違いも頭に入れておかねばならないんですね。
その感覚、凄いなぁ・・・・。
デジカメやカラーコピーでお気づきの方もいらっしゃると思いますが、