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    ■36■ 彩色紋

    • 2011.02.14 Monday
    • 22:27
    JUGEMテーマ:着物 きもの

     夕波兎・大宮花紋(彩色紋)



     「夕波兎」【大宮華紋(彩色紋)】

     今回は「礼装に彩色紋は大丈夫なのか?」というテーマですね。

     まず彩色紋とはどういうものなのか。
    簡単に言えば「色の付いた紋」のことなのですが、
    まず皆様は刺繍紋花紋などのお洒落紋を想像されると思います。

     では色の付いた紋はいつ頃から現れたのかをお話しましょう。


     前々回で申し上げた、庶民が紋を付け出した江戸の元禄頃。
    お洒落のために様々な色の付いた紋も現れました。
     伊達紋加賀紋が普及しだしたのもこの頃ですね。
     小夏さん、一般には伊達紋加賀紋などの違いは曖昧なのではないでしょうか?


     そうですね。伊達紋という言葉は、先生からお聞きして始めて知りました。
    それまでなんとなく曖昧なイメージのまま加賀紋・花紋を認識していたので、
    明確な違いなど意識したことがありませんでした。
    そういえば、「加賀紋」「花紋」共に、刺繍の印象が強いですね。

    先生から教えていただいた伊達紋は、着物との組み合わせのストーリーや
    大胆で遊び心のあるデザインがとても新鮮でした。
    それまでのお洒落紋のイメージとは違う物でした。


     では伊達紋、加賀紋他、様々なお洒落紋について詳しくは当社ウェブサイトからどうぞ。
    http://www.omiyakamon.co.jp/kamon/date/index.html

     一方、礼装は染の着物であり、
    江戸時代から五つ紋の施されたものが最も格が高いとされてきました。
    どんなにカラフルな友禅文様でも、紋は白抜きされた紋場に墨で上絵が描かれます。
    モノトーンの家紋はまた別の世界なのですね。

     家紋は家のシンボルであり、紋の施される箇所は紋を崇めるように文様が配されます。
    家紋が如何に大切にされていたかということが当時の着物から伺えます。

     洋装が普及してきた明治の頃から着物はフォーマルの道を歩みます。
    カジュアルであった彩色を施した洒落紋がどんどん除外され、
    大正時代には加賀紋などはほとんど姿を消します。

     色の付いた紋は礼装には不向きであるというのは以後も続いているようですね。


     私が考案した彩色法である「大宮華紋・おおみやかもん」もカジュアルからスタートしました。
    ところが礼装である色留や訪問着にはけっこう注文が入ります。
     第一礼装である黒留にもまれにですが依頼はあります。
    さすがに喪服にはまだありませんが(笑)

     しかし「葬式用の黒のネクタイに派手な色の花の紋を入れて欲しい」
    という依頼を受けたことはあります。
    「お葬式用にとんでもない」と私が話すと
    「ネクタイの下辺りですから隠れて見えません」と返ってきました。

     結局「薔薇、百合、蘭、菊、桔梗」の計5本の制作となりました。
    しかし見えないのに何故?
     江戸時代に繰り返された禁令時代では、豪華な文様を裏地や下着に。
    人にとって、スリリングはある種快感なのでしょう。

     人とのちょっとした違いがお洒落につながるのですね。

     小夏さん、いかがでしょう?
     家紋の白と黒の世界とは違って西洋の紋章はカラフルですよね。
    これからの着物は
    フォーマル着であっても彩色紋が受け入れられる時代がくるのでは?と思います。

    勲章
     例えばこの勲章のように!






     そうですね。
     例えば留袖などは裾模様で、上半身は無地です。
    そこに色彩豊かな彩色紋を入れるというのは、紋にとって格好の舞台のようにも思えます。
    よく、「留袖は上半身に柄が無いから、テーブルに着くと寂しくなる」
    と仰っているのを耳にすることがあります。
    そこに彩色紋が入っていれば、テーブル席も華やぎますよね。
    また、彩られた家紋はそのデザインもより引き立てられ目を惹くでしょうし、
    見る人の目を楽しませてくれるのではないでしょうか?



     当社ウェブサイト「大宮華紋」
    http://www.omiyakamon.co.jp/omiya/index.html


    次回のテーマは「■37■ 黒染め実情を考える」、
    黒染め(主に喪服)の問題点についてです。お楽しみに!

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    大宮華紋森本(染色補正森本)

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