■35■ 女紋とは

  • 2011.02.07 Monday
  • 22:03

JUGEMテーマ:着物 きもの


 「女紋」という言葉は東日本ではほとんど知られていません。
何故なら女紋は関西を中心とした西日本の習慣だからです。
 一般に家紋は一家で共有しますので、夫婦は同じ紋のはずです。
しかし、関西では正式な場でも夫婦の紋が異なることが多々あるのです。

 昔からいろんな面で東日本と西日本では文化や習慣の違いがあり
紋の使い方も例外ではありません。
 しかし、これが様々な誤解の原因になっていましたから困ります。
紋ひとつで離婚にまでなった話もありますから驚きますね。

 
女紋と呼ばれるものには定義はなく、その場限りで適当に解釈されてきました。

では、例を挙げてみましょう。

    母譲りの紋

    家紋から丸を外す

    五三桐・蔦・揚羽蝶

    女性専用の紋

    女性らしいデザイン

    男紋とは異なった継承

    地域によって習慣が異なる

    嫁ぐ時に持っていく実家の紋

    嫁の紋

  女紋は小さい

 などなど、このように様々にいわれていました。
仮に共通点を挙げるならば、その家の家紋(男紋)とはデザインが異なるということです。
 しかし最後のは、着物に付ける場合の
「男紋に対して女紋は小さい」というサイズを示したものです。
この場合、女性は家紋を共有しているので、私の申し上げる女紋ではありません。

 ところで小夏さんのところは中部地方ですから、東と西の文化が入り混じっていますよね。
小夏さんから女紋についてちょっと語っていただけませんか?



 私の地方では、女性が着物に入れる場合には
上記のように家紋から丸や角などの枠を外すのが主流のようですが、
女性が使う紋を特別に「女紋」とは呼んでいなかったようです。
「おんなもん」というと紋のことではなく女性用の物「女物」という意味に取られてしまいます。
「女紋」という言葉は、景先生と知り合ってから知りました。

 あ、ですが、中には例外もあって、代々続く旧家などでは
その家の女性だけが使う紋を持っていらっしゃるお宅もあります。
私が知っている限りでは家紋に女性らしい装飾枠をつけたものでした。
この場合、女紋の元となる家紋には枠がついていないようです。

ですからこの場合は上記のになるんでしょうか。
嫁いで来たお嫁さんも含め、この家の女性は全てこの紋を使うそうです。
 


 この場合、の女性らしいデザインの外枠を付加して、家紋(男紋)と区別されていますね。
おっしゃるように家紋(男紋)同様その家に伝える女紋ですね。
これは「替え紋」という女紋に分類され大家に多い形です。


 外枠を外すのは関西から始まった習慣です。
西は九州の北部あたりまで。東は中部地方の東部まで行き渡っています。
静岡県でいえば大井川が境目ですね。
 これは「削除」といって家紋からの変化の中で一番手っ取り早い方法ですね。
「アレンジ紋」に分類されます。

 東日本から京都へ紋入れ加工を依頼の際、
丸付きの紋の場合に業者や加工職人がお客様の了解得ずに
丸を外してしまうことが多々ありました。もちろんトラブルが発生します。
 私がこの仕事に就いたのは1965年。長年ずっとこの問題で頭を抱えていました。
しかし最も大きな問題は女紋の継承です。

 関西は上記の母系継承という女紋の形が主流です。
結婚して苗字が変わっても母の紋を継承し続けるというものです。
つまり曾お祖母さん、お祖母さん、お母さん、娘、孫娘へと、女の子が絶えるまで続くわけなのです。

 これが「夫婦で紋が違う」「結婚しても婚家の家紋を使わない」などの理由です。
東日本の方たちに誤解されるのは当然のことですね。
 関西の方に東日本にはこのような習慣がないという話をすると、逆に驚かれてしまいます。

 今まで家紋研究家がこの問題に取り組まなかったのは、
女紋は家紋(家のシンボルとなる紋)ではないからです。
テレビの「ケンミンSHOW」同様、民俗学になるのですね。



 なるほど。女紋は民俗学ですか。
女紋の風習の違いは、家での女性の立場や関係性の違いのようにも思えますね。
 なんだか興味深いですね〜。

 ん?
でも、どうして着物ドクターがこの問題に取り組むことになったのですか?



 これはよく尋ねられますね

 今までにも業界から
「なんで染色補正師が
大宮華紋(彩色家紋集)』なんかやらはるのですか?」
などとよく言われました。
 それは 『女紋』 『家紋を探る』 の出版の時も同じです。「部外者が」とよく言われます。

 染色補正師はドクターですからね。
直すのと同時に予防にも力を注がないと駄目だと思います。
紋によるトラブルも解消したいと思うのは自然なことでしょ?
それにもっと紋を楽しんでいただければ、とも思います。

 著書『女紋』の内容は女紋の実態調査から分析。
そしてそれらを「6つの習慣」として分かりやすく分類しました。
また歴史やトラブル解消法などなど。情報は満載です。



 あぁ、そうだったんですね。納得です。
同じようなトラブルが繰り返されるのを見ていれば、
どうにかしたいと思われるのは当然ですね。
 きっと先生の本を読まれて救われた方も多くいらっしゃるでしょう!



 お陰さまで出版後は「長年のわだかまりが解決しました」などの内容のメールやお手紙、
またお電話など沢山いただき本の売れ行きも順調です。
 『女紋』には「大宮華紋(彩色紋)」もカラーページで紹介していますので、
彩色紋の注文もいただいています。



 あ、やっぱり。
「女紋」の複雑さゆえに困っていらした方も多かったでしょう。
先生、とても為になる本をありがとうございます!

 女紋といえば・・・先生の大宮華紋のように
装飾的なお洒落な紋をつけて楽しむことがありますが、
彩色された色つきの紋は礼装にはどうなのでしょう?



 その質問もよく受けますね。
では次回は「彩色紋」とうことで…



 はい!では次回を楽しみにしてます。


 
 景先生著書のご案内
文中にも出てまいりました 森本景一著 『女紋』 は、
大宮華紋森本(染色補正森本)サイト内にて好評発売中です。
ご希望の方は、注文ページよりご注文下さい。
詳しくは、こちらへ。

http://www.omiyakamon.co.jp/onna-mon/reservation.html


次回のテーマは「■36■ 彩色紋」です。お楽しみに!


 

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コメント
祖母の実家は男女で紋が違うのですが、一般に聞く女紋のように母系継承ではないので、何なのかなと思っていたのですが、HPを見ましてあまり例はないようで納得しました。
丸に上の字と女紋は桔梗(丸なし)で、代々使っています。
明治半ばに分家してるんですが紋は同じで、今も本家はその紋を使っています。
分家した方は、祖母が嫁いだので紋が変わりました。
とても山奥の家なのですが(中国地方)、本家は墓からするとたぶん十代か十五代くらい続いているようです。
なぜこんな山奥でこういうことになっているのか…ちょっと不思議に思って書き込みしました。
  • 天鼓
  • 2013/02/26 11:59 AM
◇天鼓さん
コメントありがとうございます。
ブログ、お役に立てましたでしょうか。

景先生のお話を伺っていると、女紋の習慣というのは地域によっても、
また各家によっても様々な習慣があるのに驚かされます。
全国共通で「こうでなくてはならない」というのは通用しないのですね。

ブログにリンクしてあります景先生の工房サイトからは、先生の著書「女紋」が購入可能です。
ご興味がおありでしたら、ぜひお読みになってみてください。
より深く女紋を理解できますよ。(^-^)
  • 小夏
  • 2013/02/27 1:02 PM
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