■18■ 最も原始的なシミ落とし
- 2010.09.27 Monday
- 19:42
JUGEMテーマ:着物 きもの

1、 離脱…シミを生地から離してしまう。
2、 漂白…シミの成分は生地に残るが化学的に見えなくしてしまう。
3、 補正…シミは残るが色かけなどで見えなくしてしまう。
これは我々染色補正の作業を分類したものです。

シミを根本的に生地から離してしまう方法には、
シミを溶かして生地から離してしまう方法と、
溶かさずに離してしまう方法があります。
前者はすでに「油性のシミ落とし」「水性のシミ落とし」で説明した通りです。

簡単にいえば叩いて落とすということです。
シミ落としの最も原始的な方法ですね。
叩くといっても生地を傷めてはいけません。


雨の日に泥はねを上げたことはありませんか?
この泥はねを乾かしてから、
毛先の平らなかための歯ブラシなどで擦ってやれば良いのです。
つまりブラッシングでもって固まった泥を壊して落とすというものです。
また指で摘みながら軽く揉んでいただいてもかまいません。
そして表面に粉末状に残ればパンパンと叩いて終了です。


しかし今回のテーマは「シミを溶かさずに落とす」ですから、
溶かして落とす時のように、溶けたシミが繊維の中に染み込むことはありません。
但し、完全に落とそうと思わないでくださいね。
生地を傷めてしまいますので。残れば専門店へ持ち込みましょう。


この方法は生地を完全に乾かしてからでないと駄目ですよ。
雨で湿った状態のままで擦ったり揉んだりすると、どうなりますか?
はい、小夏さん!


次回は「■19■ 紛らわしい用語(1)」です。お楽しみに!



