■17■ 緑青(ろくしょう)

  • 2010.09.20 Monday
  • 23:00
JUGEMテーマ:着物 きもの
 

 先生!質問です!!
古物の洗い張り仕立て直しなどを預かると、
金属糸の刺繍や衿山のスナップが緑色に変色していることがありあますが、
これは金属のサビと理解していいのでしょうか?


 その通りです。これは緑青(ろくしょう)と呼ばれるもので、
特に着物や帯に使われている金彩部分によく見られますね。
最初は綺麗な緑色ですが、時間の経過と共に黒ずんできます。
アンティークの金加工や刺繍部分は殆ど真っ黒ですね。
緑青の出る金属材料は銅であり、亜鉛との合金の真鍮を用いたものに発生します。


 ということは、純金だと変色しないのですね。


 その通りです。但し「本金使用」と表示してあっても、
加工部分が全て純金とは限らない
ので用心にこしたことはありません。


 では詳しく説明していきますね。
要因は 「」 「アルカリ」 「イオウ」 「塩分」 「湿気」 が考えられます。

具体例をあげてみましょう。

 1、汗
汗には塩分やアンモニア(アルカリ)が含まれています。
汗がついたまま放っておくとこのようなことにもなるのです。
気をつけましょう。

 2、金彩材料用バインダー
これは制作工程上の問題です。
バインダーとは接着剤のことであり、酸が含まれています。
しかし通常、銅の合金用には中和剤が混入されていて錆の発生を防いでくれます。
昔は中和剤が入っていないものがありましたが今は大丈夫です。

 3、ベンジン用ソープ
シミ抜き材料の種類によっては、
多量のアンモニア(強アルカリ性)が含まれているものがあります。
シミ落としや洗いの際のすすぎが不十分な場合が原因です。

すでに生産過程で原因が発生している場合が多いのですが、
時間が経たないと表れてこないのが問題ですね。
シミ抜き業者の信頼に委ねられているというものです。

その他、湿気が原因する場合もあり、管理面にも注意が必要です。

このように緑青は様々な要因が重なり発生するのです。


 この緑青も、直すのは可能ですか?


 初期段階は綺麗な緑色です。
この段階なら鮮度の高い溶剤の洗浄で綺麗になることが多いです。

しかし、
黒味を帯びてくるまで進行すると、
緑青は落ちても糸や生地が茶色く変化していることが多く

漂白が必要になってきます。
ここまで進むと少しの摩擦でも破れることがあるので無理は禁物です。
直すのに高額な費用がかかったり、また直らないこともあります。
その場合は染や柄足し、金彩などの後加工という方法もあります。

「この際、イメージを替えてしまおう!」という解決策です。


 あぁ!以前アンティークの帯でそのように加工していただきましたね!
真っ黒に変色した金属糸の刺繍。後加工で綺麗になったのでした。


次回は「■18■ 最も原始的なシミ落し」です。お楽しみに!




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