■10■ シミに熱は禁物

  • 2010.08.02 Monday
  • 00:04
JUGEMテーマ:着物 きもの


  さて小夏さん、これまでの話は理解していただけましたね?
では、シミに熱を与えてはいけないことを知っていましたか?


 はい!毎回とても勉強させて頂いています。
熱を与えてはいけないことは知っています。
シミが落ちなくなってしまうのですよね?


 そうです。シミが落ちにくくなってしまうのです。
特に動物性蛋白は熱で固まり、定着してしまいます。
よく、ご家庭で血液をお湯で洗って落ちにくくなってしまってから、
シミ落とし業者に持ち込まれることがあります。


 あ。温度の高いお湯ではなく、水なら良いのですね?


 その通り! もちろん我々は水と洗剤で処理をするわけですが、
ご家庭では触ってほしくないのです。

小夏さん、小夏さんもこんなことを考えたりしたことありませんか?
「少しでもシミを薄くしておけば、シミ落としの費用が安くなるんじゃないか。」なんて。


 あ・・・。
シミを薄くした方が落としやすくなるような気はしますねぇ・・・。



 それ、全くの間違いですよ。

なぜか?

それは、「■6■ 水性のシミの落とし方」でも説明しましたが、
水性のシミは水によって溶けはじめたところを、繊維に染み込むまでのタイミングで
一気に落とさなければなりません。

私達にしてみれば、ご家庭で処理されシミが中途半端に残った状態で渡される方が
作業に手間がかかる
のです。また直りも悪い結果になります。
この上にスレを起こしていたらもっと始末が悪いです。

我々プロが「何も触らないでください」というのは、こういうことなのです。


 なるほど。
シミがついたら余計なことはしない方がいいのですね。
やり方がまずいと生地自体も悪くして、その上シミそのものも落としにくくなってしまうのですね。
そして手間がかかる分、お代金も余計にかかってしまう・・・?


 そういうことです。
では熱の話に戻しましょう。

染物の染料を発色・定着させるための「蒸し」という工程があります。
約100度の蒸気で20〜50分間蒸すのです。
また友禅染の胡粉場(白場)などに、牛乳から作られた蛋白質「カゼイン」という、
水溶液を接着剤として使います。
分かりますね?
動物性蛋白に熱を与えることで、顔料や染料を強く固めるということなのです。


 あ!シミに熱を与えるのは、それと同じ作用なのですね!!
それでシミも定着して落ちなくなってしまう訳か。



 小夏さん、着用後のシワ伸ばしにアイロンをかけることがあるでしょう?
その際は、シミの点検を十分してくださいね。
食べ物のシミに動物性蛋白が含まれていれば要注意。

それから、目に見えていなくても汗をかきやすく付きやすい場所にもアイロンは避けてください
私の元にお手入れとして持ち込まれる着物は、
見えない汗ジミも必ず汗抜きをしてからプレスをかけます。


 汗は付いたすぐは見えなくて、後々変色して出てくるので厄介ですね。
ところで、目に見えない汗をどうやって見つけるのですか?


 汗のつく場所は殆ど限られていますし、水霧をかければくっきりと汗の型が見えてきます。


 へぇ〜。そうなんですか。


 目には見えないこの段階で処理をしておかないと、
将来変色してから直したのでは高くつきますからね


 その通りですね。
汗をかく季節、夏の着物は要注意ですね!


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