■7■ 柔軟加工とは

  • 2010.07.05 Monday
  • 00:00
JUGEMテーマ:着物 きもの
 


 さて、それでは小夏さん。
柔軟加工という言葉を聞いたことがありますか?


 柔軟加工ですか?
以前のお話しに出てきましたね。


 これはね、染め上がりの生地が硬い場合の処理方法なんだよ。


 染め上がりの生地が硬い場合ですか?


 友禅染の場合、地場(無地場)や模様場に刷毛ムラが出ないよう、
生地に染料が即座に吸い込まれなくする一つの工程があります。
それを「地入れ(じいれ)」と言い、
あらかじめ生地に植物性蛋白を糊状にしたものを引き生地を硬くするんだね。

そして染色後は生地に残る不純物を取り除く必要があり、熱処理後に多量の水で流します。
この工程を「水元(みずもと)」と言い、
かつては「友禅流し」と呼ばれ、京都では鴨川でその光景を見ることができたんだ。
現在では環境の問題上やむなく人工設備の元で行われます。
しかし、残念ながら以前のように広い川で流したような成果が得られず、
生地に不純物を残すことがあり、その結果、弾力性が失われ硬くなってしまうんだよ。


 なるほど。残った不純物によって硬くなるのですね。


 そう、この場合わずかな摩擦で白けてしまうんだ。
爪などで軽くこするだけで白い線を残し、これを「チョークマーク」と呼ぶ。
チョークマークは乾燥時のブラッシング、または蒸気を与えることで
一時的には消えるが、根本的解決法ではないんだね。



 う〜ん。それは困りものですね・・・。


 そして、これを回避するため「柔軟加工」なるものが発達してきたんだ。
柔軟加工は機械で圧力をかける「機械柔軟」と、柔軟仕上げ剤による「液柔軟」がある。
後者の「液柔軟」の場合、見た目は綺麗になるが柔軟仕上げ剤という
新たな不純物を加えることとなるため、次のような問題を後々引き起こしてしまうんだよ。

問題点 
水性の柔軟剤の場合、水型が付きやすい。
雨ジミや汗ジミがくっきり付き、直すのに手間がかかる。

問題点 
油性の柔軟剤の場合、シミ落としの際のベンジン型がつきやすい。

問題点 
柔軟液とガード加工の液が化合した際、生地の風合いを損ねることがある。


 いやぁ、不純物で硬くなった生地を柔らかくする為の柔軟仕上げ剤が
また新たな問題の元となった訳ですね・・・。



 どう?小夏さん。
これらは染の製作過程での問題であり、表面化しにくく
一般的には知らない方のほうが多いでしょう。
このブログでは後々もチョークマーク柔軟加工という言葉が出てくるので、
しっかりインプットしておいてね。


 先生!!
不純物の残留が原因のチョークマーク。
その対応策としての柔軟仕上げ剤。
そして、柔軟仕上げ剤という不純物が原因で起こる水型・・・。

それから以前のお話で、染めが甘い場合や、
染めの補正に使われた染料なども水によって移動し、
型が付きやすいって仰っていましたよね?

 う〜ん。それじゃ、安心して染めの着物、着られないじゃないですか・・・。 


 全くその通りだね。

 しかし、最近はガード加工が一般化してきました。
適度な撥水効果がそれを防いでくれますよ。
新たな問題点もありますが、メリットの方が大きいと私は判断します。
では次回は「ガード加工について」のお話をしましょう。


 はい。よろしくお願いします!


次回は「■8■ ガード加工について」です。



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