■20■ 紛らわしい用語(その2)

  • 2010.10.11 Monday
  • 23:03
JUGEMテーマ:着物 きもの



 先生。
前回の「洗い」のつく用語の違い、これまで曖昧だったのが解消されました!
ありがとうございました。
今回は「地直し」「地入れ」、そして「湯とおし」「ゆのし」について教えて頂けますか?



 はい、分かりました。
じゃぁ、説明していこうね。

まずは「地直し」について。


     仕立て前に生地の歪みや伸び・縮みを確認して生地目を正す作業のこと。

     染色補正(染の工程で起きた難を元通りに修正する)のことを「地直し」と言い、
    それを専門とする職種を、業界では「地直し屋」と呼ぶ。



 私が通常使う「地直し」の意味は,如∋杜ての作業の大切な工程の1つです。 
先生の業界では△里茲Δ併箸なをされるんですね。
では、先生の職業は業界では「地直し屋さん」なのですね!


 それでは「地入れ」「湯とおし」「ゆのし」は、どうですか?
この3つ、私は”仕立て前に生地に施す加工”という認識ですが、
「地入れ」についてはその他にも使われることがあるという話を聞いたことがあります。
先生、それはどのような事なのですか?



 では、説明しましょうね。

「地入れ」

   大島紬や結城紬などの織物は、糸に糊を含ませて織るので、
    仕立てる前に糊を落とす必要がある。糊は湯に浸けておとすので「湯通し」ともいう。

 

◆  染め作業の前に、ムラ染めにならないようにするための前処理。

    「地染め(引き染)地入れ」と「友禅(模様場)地入れ」がある。

 

  友禅作業の際、ゴム糸目が生地にしっかり付くために、

    揮発油(ベンジン)で濡らすことを「キハツ地入れ」と呼ぶ。


以上のような3つの使われ方をします。

「地直し」「地入れ」は全く違った二通りの意味があるので紛らわしいね。
「地」は生地全体を指すので、異なった工程で同じ言葉が発生してもおかしくはないね。
「地入れ」の二種類も、それぞれの大切な工程の前に「地に手を入れる」の意味なのでしょう。



「湯通し」
これは、「地入れ」,諒面
同じ作業を違う名前で呼んでいるという1例だね。



「湯のし」
蒸気で生地幅や丈を整える作業。


あと、この他に今ではあまり使われない言葉で「ふかし」があります。
これは、染め物用に織られた白大島や白紬などの糊を、染める前に落とす作業のことです。



 なるほど。
「地入れ」という言葉には△里茲Δ併箸錣貶もあるのですね。
染めの製作過程の言葉は知らない事が多いです。覚えておきます!
それから、「地入れ」「湯通し」同じ作業のことだったのですね。
どのように違うのか曖昧なままだったのでハッキリしてよかったです!



 ところで小夏さん。仕立て工程の「地直し」の類で「地詰め」がありますね。
生地をあらかじめ縮めておく作業ですが、「地のし」とも言いますね。
これも紛らわしいですね。
「地詰め」については、また後日改めて取り上げましょう。



 はい。了解しました!


次回は「■21■ 帯のお手入れ」です。お楽しみに!


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■19■ 紛らわしい用語(その1)

  • 2010.10.04 Monday
  • 18:45
JUGEMテーマ:着物 きもの

 

 先生!着物の用語というと普段の生活では耳慣れない言葉も多いと思うのですが、
お手入れの用語にもそのようなものがありますよね。
私がいつも戸惑ってしまうのは、「洗い」がつく用語です。
「京洗い」 「丸洗い」 「生き洗い」など、よく目にする言葉でもいくつかありますよね?
この違いが私の中で整理できてなくて曖昧な状態なのですが、
どのような違いがあるのか教えていただけますか?



 はい、確かに紛らわしいね。
これらは全て、着物を解かずに洗う「ドライクリーニング」だと解釈してください。



 これらは全て「ドライクリーニング」なのですか!


 そうです。では、それぞれの語源について説明しましょう。

● 「京洗い」は「京都流に洗う」ということです。
京都は京染めと悉皆の基盤があり、
それだけ技術が高いということからこのように呼ばれたのでしょう。

● 「丸洗い」は
「解き洗い張り」に対する言葉で、着物を「解かずに丸のまま洗う」の意味です。

今は一般にドライクリーニングを指しますが、ドライクリーニングが発明されるまではそのまま水に浸けていたのですね。

もちろん絹ではなく庶民の木綿や麻などに限られます。

女性達が井戸の周りに集まってぺちゃくちゃおしゃべり。井戸端会議の語源ですね。

● 「生き洗い」は元々京都では、解き羽縫いして反物に戻し、水に浸けて洗うことを言います。
「染を傷めず、生かす」という技術の高さからこのように呼ばれたのです。

しかし、京都以外の地区では「解かずに洗うドライクリーニング」の意味で使われています。
「着物の形を生かす」の意味なのでしょう。
京都の多くのしみ抜き職人は今も「解いて水に浸ける」と解釈しているから要注意だね。


 そうなんですか!地域によって解釈が違うというのは要注意ですね!!


 因みに私のところでは、以下のように表示をしています。

● 
「丸洗いプレス」(解かずに洗います)

● 
「解き洗い張り(水洗い)」(仕立てが必要です)


 地域により、また業者により用語が異なることがあるから、
依頼の際には

「解くか解かないか」
「新たに仕立てを必要とするかしないか」
しっかり確認すること!

それから、丸洗い(ドライクリーニング)は基本的には水は使わないから、
汗抜きは別途扱いのところが多いようです。
ドライクリーニングだけでは汗は落ちませんから気をつけましょうね。


 先生のところでは丸洗いに汗抜きはセットでしたね?


 はい、お客様に言われなくても汗は水で処理していますよ。
落としておかないと後で変色してきますからね。
但し、すでに変色している場合は別途料金になります。



 お手入れは早め早めが肝心ですね。
いつもまでも放って置いちゃいけないですね。 
あ、私は今まで汗抜きの料金はかからなかったですね。



 小夏さんは必ずシーズン後にお手入れに出して下さるから、
変色までには至りませんからね。



 はい。衣替えになったら箪笥へしまう前に京都へ旅してもらいます!
森本医院で「人間ドック」ならぬ「着物ドック」です!(笑)
Dr.景先生、うちの着物たちをよろしくお願いします。



 はい。了解しました。(笑)


次回は「■20■ 紛らわしい用語(その2)」です。


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