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- 2021.08.24 Tuesday
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では、カビ予防についてお話しましょう。
着物にはカビの発生しすい箇所や染めがあります。
特に注意が必要なのは、糊気の多く含んだ箇所、胡粉(白場)などの顔料や刺繍部分。
また黒留袖や喪服、泥染め大島(濃い色)などが挙げられます。
そして環境です。つまり地域や住宅事情などが大いに影響します。
そこで適切な管理が必要になってくるのです。
住宅事情は仕方ないとしても、環境面での工夫や
管理面での注意でカビを防御することはできます。
つまり我々人間にとって心地良い環境に着物も置いてやれば良いのです。
人が住んでいない家の傷みが早く進むのと同じことですね。
一番良くないのは密室などに長期間放っておくこと。
湿気が抜けないのが一番危険なのです。
新築マンションなどは要注意ですね。
では対策です。
予防策として昔から「年に2度の虫干し」と言われていますね。
これが上手くできていれば問題がないのですが、
私のところにはカビの直しがどんどん持ち込まれてきます。
皆さん、つい忘れてしまっていたり、間違ったことをされているのですね。
一番簡単なのは、乾燥した日にタンスなどの扉や引き出しを開けておくことです。
そう、泥棒に入られたようにです。(笑)
要は、引き出しやたとう紙の中の空気を動かしてやることが大切なのです。
扇風機で風を送ったり、湿気を取るためのエアコンは最適ですね。
因みに私の作品の着物などは、工房内のタンスに保管しています。
タンスといっても実際は棚なのですが…
その棚は1975年頃に別注で作らせたもので、絶えず空気が流れる構造。
決して密封状態ではありません。
これまで、カビやその他の変色は一切ありません。
つまり私の着物も私と同じ空間で過ごしているのです。
人間にとって心地よい環境は着物にも良いということですね。
着物は箪笥の肥やしにして仕舞いっ放しではいけないということですね。
箪笥の中で大事に大事に眠らされていることほど、着物にとってはよくない。
着る機会を沢山作って風を通し、着物と共存できればカビなんて発生しない訳ですね。
そうです!その通り。
それから、もう1つ注意していただきたいのが、
虫干しの失敗例。紫外線による退色です。
窓からの太陽光線は要注意!!
”ハンガーにかけた時のシワの形のまま、黄色く変色してしまった着物”が
私のもとへよく持ち込まれます。紫外線によるヤケです。
そうならないために、虫干しにもテクニックが必要なのです。
結論は風に当てて、光に当てないということです。
室内の蛍光灯からも紫外線は出ていますから注意してくださいね!
その点、市販されている一般的なLEDのほとんどは紫外線を出さないので大丈夫ですよ。
紫外線による退色・・・。
直射日光がいけないことは知っていましたが、蛍光灯もよくないのですね。
LEDが大丈夫というのは安心しました!
家の照明はLDEです!
虫干しは、太陽光の当たらない風通しのよい部屋を選ぶ。
お天気や住宅事情などで思うようにいかない場合は、
締め切った部屋でエアコンの風を当てるのも良いわけですね!
除湿機+扇風機なんかも良さそうですね。