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    ■16■ 保管中の変色

    • 2010.09.13 Monday
    • 20:21
    JUGEMテーマ:着物 きもの


      保管中の変色には他に様々な原因があげられます。
    その多くはやはりガスですね。
    では代表的なものを挙げてみましょう。


     はい!よろしくお願いします。


     匂い袋による変色。
    これも時折持ち込まれますね。
    これは明るい黄色に変色します。
    黄味が強い場合が多く直りにくいケースが多い。
    ですから、使用上の注意を怠らないようにしましょう。


     匂い袋ですか!
    防虫も兼ねた衣類用のお香なんかも市販されていますね。
    注意が必要なんですね。


     硫黄ガスが発生するものも危険です。
    たとう紙やゴムベルトの硫黄分が原因して変色する場合があります。
    たとう紙の場合は、着物がたたまれた状態で紙に接する部分が変色します。
    ゴムベルトの場合は、一見、着用の際の帯や紐の色が移ったように思われますが、
    変色がベルトの形状なので見分けがつきます。



     えっ!?
    たとう紙やゴムベルトが原因になることもあるんですか!!


     防虫剤でも使用方法を間違えるととんでもない事になるんですよ?
    プラスチックやバインダー(接着剤)を溶かすことがあり、
    金糸目が他の場所に移ってしまう「打ち合い」になるのです。

    防虫剤には、樟脳パラジグロルベンゼンナフタリンエムペントリンなどがあり、
    これらを
    2種類以上併用することは危険なのです。
    また、たとう紙の中に入れるのは避けましょう。


     知り合いから預かった着物で「打ち合い」を見たことあります!
    防虫剤での事故だったんですね。
    私はウールにしか防虫剤は入れてないので、これは問題なさそうです。



     着物を傷める原因は他にもまだまだあります。
    とにかく風通し小まめなチェックを怠らないことが大切です。


     仕舞い込んで空気を滞らせるのが、とにかく良くない事なんですね。
    私の密かな愉しみ(小まめに出して眺める)も、着物のためにはイイコトなんだぁ♪


    次回は「■17■ 緑青(ろくしょう)」です。お楽しみに!


    大宮華紋森本(染色補正森本)

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    ■15■ ガスヤケ

    • 2010.09.06 Monday
    • 17:20
    JUGEMテーマ:着物 きもの


     小夏さん、ガスヤケという言葉を聞いたことありますか?


     ガスヤケですか?あまり聞かないですね・・・。


     そう、一般にはあまり知られていない言葉ですね。
    タンスの中に蓄積した酸化窒素ガスや亜硫酸ガスによって着物が変色したものです。 
    原因が分からないまま、私のところへはよく持ち込まれますね。


     タンスの中でガスですか!?


     そう、ガスに加え湿気なども影響していると考えられます。
    石油ストーブやガスヒーターを使っている家屋に多く、
    着物の保管場所には避けて欲しい
    ですね。


     え!!石油ストーブ・・・。私、着物を保管してある部屋で使ってます!
    それは、どんなふうになるんですか?


     原因が気体なので、症状はたたみ目に沿って山折りになった部分に退色が見られます。
    つまり生地同士が密着した面は変色しにくいということです。
    それに変色部分の輪郭がぼやけているのも特徴ですね。
    しかし、進行すれば着物全体に広がることもあります。


     たたみ目に沿ってヤケるんですか・・・。 これも、直せるのですか?


     退色部分に色をかけることで直るのですが、
    全体に広がってしまうと補正作業では無理な場合があります。
    無地のものなら、解いて色を抜き、染め直した方が安く綺麗になりますね。

    着物は放っておくのが1番よくありません。
    こうなるまでに手をかけること。防止作戦が大切です。
    どうすれば良いか、お分かりですね? 小夏さん!


     ビクッ!は、はい。
    えっと、密封を避けて絶えず風通しをよくすること。または年に2度の虫干しです!


     よくできました、正解です。
    虫干しよりも「絶えず風通し」を先に答えるのは私の生徒らしいですね。


     えへへ。
    変色にもいろいろあるんですね・・・。
    他にも変色の原因となるものってあるのですか?


     まだまだありますよ。
    では次回も保管中の変色についてお話しましょう。


     はい!先生よろしくお願いします。



    次回は「■16■ 保管中の変色」です。お楽しみに!



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    ■13■ カビ予防について

    • 2010.08.23 Monday
    • 07:00
    JUGEMテーマ:着物 きもの

     

     では、カビ予防についてお話しましょう。

    着物にはカビの発生しすい箇所や染めがあります。

    特に注意が必要なのは、糊気の多く含んだ箇所、胡粉(白場)などの顔料や刺繍部分。

    また黒留袖や喪服、泥染め大島(濃い色)などが挙げられます。

    そして環境です。つまり地域や住宅事情などが大いに影響します。

    そこで適切な管理が必要になってくるのです。


    住宅事情は仕方ないとしても、環境面での工夫や
    管理面での注意でカビを防御することはできます。

    つまり我々人間にとって心地良い環境に着物も置いてやれば良いのです。
    人が住んでいない家の傷みが早く進むのと同じことですね。


    一番良くないのは密室などに長期間放っておくこと。
    湿気が抜けないのが一番危険なのです。
    新築マンションなどは要注意ですね。




     では対策です。
    予防策として昔から「年に2度の虫干し」と言われていますね。
    これが上手くできていれば問題がないのですが、
    私のところにはカビの直しがどんどん持ち込まれてきます。
    皆さん、つい忘れてしまっていたり、間違ったことをされているのですね。

    一番簡単なのは、乾燥した日にタンスなどの扉や引き出しを開けておくことです。
    そう、泥棒に入られたようにです。(笑)

    要は、
    引き出しやたとう紙の中の空気を動かしてやることが大切なのです。
    扇風機で風を送ったり、湿気を取るためのエアコンは最適ですね。




     因みに私の作品の着物などは、工房内のタンスに保管しています。
    タンスといっても実際は棚なのですが…

    その棚は1975年頃に別注で作らせたもので、絶えず空気が流れる構造
    決して密封状態ではありません

    これまで、カビやその他の変色は一切ありません。
    つまり私の着物も私と同じ空間で過ごしているのです。
    人間にとって心地よい環境は着物にも良いということですね。



     着物は箪笥の肥やしにして仕舞いっ放しではいけないということですね。
    箪笥の中で大事に大事に眠らされていることほど、着物にとってはよくない。
    着る機会を沢山作って風を通し、着物と共存できればカビなんて発生しない訳ですね。



     そうです!その通り。
    それから、もう1つ注意していただきたいのが、
    虫干しの失敗例。
    紫外線による退色です。

    窓からの太陽光線は要注意!!

    ”ハンガーにかけた時のシワの形のまま、黄色く変色してしまった着物”
    私のもとへよく持ち込まれます。紫外線によるヤケです。
    そうならないために、虫干しにもテクニックが必要なのです。

    結論は
    風に当てて、光に当てないということです。
    室内の蛍光灯からも紫外線は出ていますから注意してくださいね!


    その点、市販されている一般的なLEDのほとんどは紫外線を出さないので大丈夫ですよ。



     紫外線による退色・・・。
    直射日光がいけないことは知っていましたが、蛍光灯もよくないのですね。

    LEDが大丈夫というのは安心しました!

    家の照明はLDEです!


    虫干しは、太陽光の当たらない風通しのよい部屋を選ぶ。
    お天気や住宅事情などで思うようにいかない場合は、
    締め切った部屋でエアコンの風を当てるのも良いわけですね!
    除湿機+扇風機なんかも良さそうですね。

     

     

     

    次回は「■14■ 紫外線」です。お楽しみに!


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    ■12■ カビは直るの?

    • 2010.08.16 Monday
    • 07:00
    JUGEMテーマ:着物 きもの


     先生!早速ですが質問です。
    着物に出たカビは取れるのですか?


     はい、では今日はカビについて話しましょう。

    「着物に出たカビは取れるのですか?」の答えですが、
    これはカビの発生初期からの進み具合、つまり程度により様々に変わってきます。

    まず、初期段階では白く粉がふいたように胞子が出ます。
    特に黒や濃い色は目立ちますから発見しやすいですね。
    この段階なら、ご家庭でも、乾いた布で叩けば表面は落ちてしまいます。
    しかし見えなくなるのはあくまで表面だけで、再発するのは時間の問題です。

    やはり、着物専門店に「カビ落とし」として依頼しましょう。


     生地を叩いて、白い胞子が落ちたからといって、カビそのものが落ちた訳ではないのですね。
    ちゃんと処理をしてもらわないと、また同じようにカビが出現する訳だぁ・・・。



     次に年数が経ってカビが変色したものの場合。
    変色は黄ばみから茶色、やがては黒くなります。
    この場合ももちろん、我々専門家が手をかけないと駄目なのですが、
    生地も弱っているため、変色が進んだものや広範囲のものは直らない場合もあります。

    直り具合や費用の点など、最初によく話を詰めておきましょう。


     カビが進んでしまったものは生地も弱くなるのですね。
    どの程度まで直せるのか、また費用のことなど
    お店に持ち込んだ際、よくお話を聞いて確認しておかなければいけませんね。
    仕上がってから「こんなつもりじゃなかった!」では、後味悪いですもんね・・・。

     先生!よく古物の胴裏や表地の柄の白い部分(胡粉場・ごふんば)など、
    茶色いカビの跡が点々と出ているのを目にすることがありますが、
    このような場所はカビが出やすいのですか?



     そうです。糊気の多い部分はどうしてもカビが出やすいですね。
    友禅の胡粉場(白場)も同様、カビが出やすいです。
    しかし、白場なので漂白も簡単だし、仕上げに胡粉を彩色すれば生地の強化にもなりますよ。
    胡粉場をお直しして白くなれば、見違えるように綺麗になります。

    また、古い時代の胴裏は増量のため、多量の糊が含まれています。
    着物を解いて漂白洗いすれば綺麗になります。糊気も落ちるので今後は大丈夫だと思いますよ。
    しかし、費用のことを考えれば裏地は新しいものに取り替えた方が気持ちが良いかも知れませんね。


     そうですね。
    私も胴裏は新しい物に取り替えた方が、風合いも良く気持ちがいいように思いますね。


     小夏さん、カビは発生してからよりも、未然に防ぐことを心がけなければいけませんよ。


     はい!よく言う「虫干し」ですね! 


     はい、その通り!
    では次回はカビ予防についてお話しましょう。


    次回は「■13■ カビ予防について」です。お楽しみに!

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