■50■ Dr.景流 着物の管理 【4、着物にも主治医!】

  • 2011.06.27 Monday
  • 22:15
JUGEMテーマ:着物 きもの

 

 今回でいよいよ最後となります。

最終テーマは、私の理想とするお客様との関係です。

 

例えば、

     部分的なシミ落としで済ます

     丸洗い(ドライクリーニング)が必要

     解き洗い張り(水洗い)をした方が良い


 これらをどのようなタイミングで行ったら良いか?
という質問を受けることがあります。

 私としては現物を拝見した上で、最善と思われる答えを出すのですが、
お客様がどういう着物生活をなさっているのかを知るにこしたことはありません。


 また中には「着用後のプレスだけお願いします」と言われることもあります。

 その時は、お客様に

「目に見えなくとも、汗染みの処理やその他を検品してからでないと
熱処理はシミを定着させるため危険です」

と了解を取るようにします。


 少しでも行き届いた仕事や管理アドバイスをさせていただくためには
顧客一人ひとりの情報が必要となってきます。

 お預かりする着物の主がどのような方なのか。
またお客様の立場では、どんな職人がどんな作業場でどんな方法で作業するのか。
これら、少しでもお互いが見えた方が安心なのではないでしょうか。


 
大切な着物を少しでも長く着ていただくために、
私は着物の主治医でありたいと願っております。


 お馴染さんの着物がお手入れに来る度に、私はとても嬉しく思います。
いつまでも変わらない姿であるのですから。




 ■ご挨拶■
Dr.景こと、森本景一さんにご協力頂き続けてまいりましたこのブログ、
今回にて最後となりました。

 ブログにつきましては、少しでも皆様のお役に立てるよう、

このまま公開させていただきます。
記事の内容に分からないこと、ご質問などありましたら、
コメント欄またはメールなどでお知らせ下さいませ。
折り返しお返事させていただきます。
ご感想もお待ちしています!

 またDr.景へ、直接のお仕事のご依頼なども承っております。
お気軽にどうぞ。

 ご質問、お仕事のご依頼などは、
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大宮華紋森本サイト内記載のメールアドレス、または電話番号までお願い致します。


それでは、またお会いできる日を楽しみに。

 ありがとうございました!


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■49■ Dr.景流 着物の管理 【3、シミ落としは叩け?】

  • 2011.06.22 Wednesday
  • 15:10
JUGEMテーマ:着物 きもの
 

 「シミ落としは擦らずに叩け!」

 
これ、本当に正しいのでしょうか?

 もちろん擦るのはよくありません。
しかし「叩く」のも場合によっては悪い結果をもたらすことがあるのです。


 例えばホコリなど取る場合、乾燥状態で叩く。
これは余分なものを反作用でもって生地から放すというもので問題はありません。


 しかし、よく目にするのは「下に敷いた布に汚れを移すようにベンジンなどで叩く」などです。

 これでは泥染め大島のようにベンジンでも色落ちするようなものなどは、
衿裏に表の色が移動して新たなシミになってしまいます。

 我々のような機械設備のもとであれば一気に洗い流せますが、
ご家庭での染み抜きでは問題が発生する率は高くなるのです。


 ということで、ここで私流をご紹介しましょう。

 私のベンジンによるシミ落とし方法(手作業)は、基本的には叩かず、
表面に付着した汚れはあくまで表面だけで処理します。

 つまり汚れを裏に落とし込まないようにブラッシングや拭き取りを行います。
したがって裏面はほとんど濡れません。

 これは以下のような利点があるのです。

     汚れが裏面に移動しない

    ベンジンが少量ですむ

    作業も 時間短縮

 ただしこれはテクニックを要します。

 「泥染め大島にベンジンは禁物」と一般に言われているようですが、
私の方法では何ら問題はありません



 次回は「■50■ Dr.景流 着物の管理 【4、着物にも主治医!】」です。
お楽しみに!


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■48■ Dr.景流 着物の管理 【2、虫干しは必要?】

  • 2011.06.06 Monday
  • 22:24
JUGEMテーマ:着物 きもの
 

 着物に虫干しが必要なのは昔からの常識になっていますね。
我々着物クリニック業者も当然のことながらお薦めしています。


 ところが誤った虫干しの方法で、とんでもないことになった着物
当社には多数持ち込まれます。

 その大半は紫外線により変色したものなのです。
何日も放っておいたとみえ、光にあたった部分が広範囲に退色してしまったものです。

 
虫干しのコツ「乾燥した風にあて、光にはあてない!」
ということですから十分にご注意ください。


 よくあるのが
着用後に洋服用ハンガーに掛けてそのまま放置してあったというものです。
ハンガーの形状でシワができ、その通りにムラに変色が出ます。
光に当った部分と、陰の元色との差が出るのですね。


 私は特に虫干しをしません
お天気のよい乾燥した日は、部屋に風を入れタンスの引き出しを開けておきます
一見泥棒に物色されたような光景に、訳を知らず見た人には驚かれそうですが、
この方法だと安全で手間も省けます。

 うちには家族の着物も、私の作品やお客様の長期間預かりも含めて沢山ありますが、
今までにカビや虫の発生、ガスヤケなどの経験はありません。

 また、ときおり着物を衣桁なんかにかけて鑑賞します。
工房内では私の作品などをディスプレイ。


 絶対してはならないのは、タンスに仕舞い込んだまま何年も放置です。

 長期間気密状態が最もいけないことなのです。
カビはもちろんのこと、ガスの発生により色が変化(ガスヤケ)することも多々見受けられます。

 十分に注意しましょう。


 次回は「■49■ Dr.景流 着物の管理 【3、シミ落としは叩け?】」です。
お楽しみに!

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■47■ Dr.景流 着物の管理 【1、着用後の乾燥?】

  • 2011.05.24 Tuesday
  • 21:08
JUGEMテーマ:着物 きもの


 着物の管理で一般常識といわれている中には、
私からすれば「ちょっと違うのではないか?」というものがあります。

 私が潔癖性なのかもしれませんが、
職業として長年着物の直しや管理に関わってきた結果、
それは明らかな違いとして確信しています。

 着物を少しでも長持ちさせるには、
繊維やシミの性質を今一度考え直していただく必要があるのではと改めて思います。


 今回は私流の着物管理についてお話しましょう。


「着用後はハンガーにかけて十分乾燥させてから仕舞いましょう」

 さて、
本当にこれでよいのでしょうか?


 今日はこれについて考えてみましょう。

 これは「湿気を含んだまま、仕舞い込まないように」という意味なのでしょうが、
鵜呑みにするのはちょっと危険です。


 例えば汗染み。

 着物を着用すれば多少なりとも汗染みが付くとお考えください。
 汗により脇(両胸)や背中(帯下)が濡れることは多々あります。
 また額や首筋から流れた汗は衿を汚してしまうのは当然のことですね。

乾いてしまえば分かりにくくなるところに汗染みの落とし穴があるのです。

 汗をかいたという自覚がなくても
汗は体内から常に発汗され着物に徐々に浸み込んでいき、そのまま残ってしまいます。


 衣類とはそのようなものなのです。
汗をそのまま放置すれば将来変色してくる事は今まで何度も話してきました。
そのまま乾燥して仕舞ってしまうなんて、私からすれはとんでもないことなのです。


 実は、私は昔から人一倍汗かき。
そのため衣類の汗染みに関してはより神経質になっているのかもしれません。

 身に着けたものは毎日着替え、水で洗うのが理想です。
しかし着物はそうはいきませんね。また洋服の重衣料などもそうです。

 私は普段、ジャケットやスーツを着ないのですが、
たまの着用後には必ず脇の汗染みを水で処理します。
冬場の寒い時期でも脇は汗で濡れます。若い頃はこの体質を恨んだものです。

 夜遅く酔って帰宅しても、部屋に入らずにまず工房でシミの点検と汗抜き作業を済ませます。
それから初めてハンガーにかけて乾燥、保管です。


 そのまま放置し、時間が経ってすっかり乾燥してからでは、汗染み抜きの作業効率は落ちます
これは皆さんの着物についても同様です。

 理想は着用の度にプロによるシミ(汗染みを含む)の点検と処理ができればよいのですが、
現実的にそうはいきません。

 沢山汗をかいたと思われる時はそのまま乾燥や放置はしないで、
なるべく早めに専門業者に依頼をしましょう。




 次回は「■48■ Dr.景流 着物の管理 【2、虫干しは必要?】」です。
お楽しみに!

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