■50■ Dr.景流 着物の管理 【4、着物にも主治医!】

JUGEMテーマ:着物 きもの
 

 今回は、

     部分的なシミ落としで済ます

     丸洗い(ドライクリーニング)が必要

     解き洗い張り(水洗い)をした方が良い


 
これらをどのようなタイミングで行ったら良いか?
という質問を受けることがあります。

 私としては現物を拝見した上で、最善と思われる答えを出すのですが、
お客様がどういう着物生活をなさっているのかを知るにこしたことはありません。


 また中には「着用後のプレスだけお願いします」と言われることもあります。

 その時は、お客様に
「目に見えなくとも、汗染みの処理やその他を検品してからでないと
熱処理はシミを定着させるため危険です」
と了解を取るようにします。


 少しでも行き届いた仕事や管理アドバイスをさせていただくためには
顧客一人ひとりの情報が必要となってきます。

 お預かりする着物の主がどのような方なのか。
またお客様の立場では、どんな職人がどんな作業場でどんな方法で作業するのか。
これら、少しでもお互いが見えた方が安心なのではないでしょうか。


 
大切な着物を少しでも長く着ていただくために、
私は着物の主治医でありたいと願っております。

 お馴染さんの着物がお手入れに来る度に、私はとても嬉しく思います。
いつまでも変わらない姿であるのですから。



 ■ご挨拶■
Dr.景こと、森本景一さんにご協力頂き続けてまいりましたこのブログですが、
私、管理人(小夏)の事情により、今回にてお休みさせていただくこととなりました。

 ブログにつきましては、少しでも皆様のお役に立てるよう、このまま公開させていただきます。
記事の内容に分からないこと、ご質問などありましたら、
コメント欄またはメールなどでお知らせ下さいませ。
折り返しお返事させていただきます。
ご感想もお待ちしています!

 またDr.景へ、直接のお仕事のご依頼なども承っております。
お気軽にどうぞ。

 ご質問、お仕事のご依頼などは、
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大宮華紋森本サイト内記載のメールアドレス、または電話番号までお願い致します。


それでは、またお会いできる日を楽しみに。

 ありがとうございました。

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| Dr.景流 着物の管理 | 22:15 | comments(0) | Dr.景 / 小夏 |

■49■ Dr.景流 着物の管理 【3、シミ落としは叩け?】

JUGEMテーマ:着物 きもの
 

 「シミ落としは擦らずに叩け!」

 
これ、本当に正しいのでしょうか?

 もちろん擦るのはよくありません。
しかし「叩く」のも場合によっては悪い結果をもたらすことがあるのです。


 例えばホコリなど取る場合、乾燥状態で叩く。
これは余分なものを反作用でもって生地から放すというもので問題はありません。


 しかし、よく目にするのは「下に敷いた布に汚れを移すようにベンジンなどで叩く」などです。

 これでは泥染め大島のようにベンジンでも色落ちするようなものなどは、
衿裏に表の色が移動して新たなシミになってしまいます。

 我々のような機械設備のもとであれば一気に洗い流せますが、
ご家庭での染み抜きでは問題が発生する率は高くなるのです。


 ということで、ここで私流をご紹介しましょう。

 私のベンジンによるシミ落とし方法(手作業)は、基本的には叩かず、
表面に付着した汚れはあくまで表面だけで処理します。

 つまり汚れを裏に落とし込まないようにブラッシングや拭き取りを行いますのです。
したがって裏面はほとんど濡れません。

 これは以下のような利点があるのです。

     汚れが裏面に移動しない

    ベンジンが少量ですむ

    作業も 時間短縮

 ただしこれはテクニックを要します。

 「泥染め大島にベンジンは禁物」と一般に言われているようですが、
私の方法では何ら問題はありません



 次回は「■50■ Dr.景流 着物の管理 【4、着物にも主治医!】」です。
お楽しみに!


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| Dr.景流 着物の管理 | 15:10 | comments(0) | Dr.景 / 小夏 |

■48■ Dr.景流 着物の管理 【2、虫干しは必要?】

JUGEMテーマ:着物 きもの
 

 着物に虫干しが必要なのは昔からの常識になっていますね。
我々着物クリニック業者も当然のことながらお薦めしています。


 ところが誤った虫干しの方法で、とんでもないことになった着物
当社には多数持ち込まれます。

 その大半は紫外線により変色したものなのです。
何日も放っておいたとみえ、光にあたった部分が広範囲に退色してしまったものです。

 
虫干しのコツ「乾燥した風にあて、光にはあてない!」
ということですから十分にご注意ください。


 よくあるのが
着用後に洋服用ハンガーに掛けてそのまま放置してあったというものです。
ハンガーの形状でシワができ、その通りにムラに変色が出ます。
光に当った部分と、陰の元色との差が出るのですね。


 私は特に虫干しをしません
お天気のよい乾燥した日は、部屋に風を入れタンスの引き出しを開けておきます
一見泥棒に物色されたような光景に、訳を知らず見た人には驚かれそうですが、
この方法だと安全で手間も省けます。

 うちには家族の着物も、私の作品やお客様の長期間預かりも含めて沢山ありますが、
今までにカビや虫の発生、ガスヤケなどの経験はありません。

 また、ときおり着物を衣桁なんかにかけて鑑賞します。
工房内では私の作品などをディスプレイ。


 絶対してはならないのは、タンスに仕舞い込んだまま何年も放置です。

 長期間気密状態が最もいけないことなのです。
カビはもちろんのこと、ガスの発生により色が変化(ガスヤケ)することも多々見受けられます。

 十分に注意しましょう。


 次回は「■49■ Dr.景流 着物の管理 【3、シミ落としは叩け?】」です。
お楽しみに!

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| Dr.景流 着物の管理 | 22:24 | comments(0) | Dr.景 / 小夏 |

■47■ Dr.景流 着物の管理 【1、着用後の乾燥?】

JUGEMテーマ:着物 きもの


 着物の管理で一般常識といわれている中には、
私からすれば「ちょっと違うのではないか?」というものがあります。

 私が潔癖性なのかもしれませんが、
職業として長年着物の直しや管理に関わってきた結果、
それは明らかな違いとして確信しています。

 着物を少しでも長持ちさせるには、
繊維やシミの性質を今一度考え直していただく必要があるのではと改めて思います。


 今回は私流の着物管理についてお話しましょう。


「着用後はハンガーにかけて十分乾燥させてから仕舞いましょう」

 さて、
本当にこれでよいのでしょうか?


 今日はこれについて考えてみましょう。

 これは「湿気を含んだまま、仕舞い込まないように」という意味なのでしょうが、
鵜呑みにするのはちょっと危険です。


 例えば汗染み。

 着物を着用すれば多少なりとも汗染みが付くとお考えください。
 汗により脇(両胸)や背中(帯下)が濡れることは多々あります。
 また額や首筋から流れた汗は衿を汚してしまうのは当然のことですね。

乾いてしまえば分かりにくくなるところに汗染みの落とし穴があるのです。

 汗をかいたという自覚がなくても
汗は体内から常に発汗され着物に徐々に浸み込んでいき、そのまま残ってしまいます。


 衣類とはそのようなものなのです。
汗をそのまま放置すれば将来変色してくる事は今まで何度も話してきました。
そのまま乾燥して仕舞ってしまうなんて、私からすれはとんでもないことなのです。


 実は、私は昔から人一倍汗かき。
そのため衣類の汗染みに関してはより神経質になっているのかもしれません。

 身に着けたものは毎日着替え、水で洗うのが理想です。
しかし着物はそうはいきませんね。また洋服の重衣料などもそうです。

 私は普段、ジャケットやスーツを着ないのですが、
たまの着用後には必ず脇の汗染みを水で処理します。
冬場の寒い時期でも脇は汗で濡れます。若い頃はこの体質を恨んだものです。

 夜遅く酔って帰宅しても、部屋に入らずにまず工房でシミの点検と汗抜き作業を済ませます。
それから初めてハンガーにかけて乾燥、保管です。


 そのまま放置し、時間が経ってすっかり乾燥してからでは、汗染み抜きの作業効率は落ちます
これは皆さんの着物についても同様です。

 理想は着用の度にプロによるシミ(汗染みを含む)の点検と処理ができればよいのですが、
現実的にそうはいきません。

 沢山汗をかいたと思われる時はそのまま乾燥や放置はしないで、
なるべく早めに専門業者に依頼をしましょう。




 次回は「■48■ Dr.景流 着物の管理 【2、虫干しは必要?】」です。
お楽しみに!

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大宮華紋森本(染色補正森本)
| Dr.景流 着物の管理 | 21:08 | comments(0) | Dr.景 / 小夏 |

■46■ 訳あり商品の見分け方(9) 【未仕立て品 <5:緑青(ろくしょう)>】

JUGEMテーマ:着物 きもの


 さて「訳あり商品の見分け方シリーズ」今回が最後となりました。
小夏さんいかがでしたか、このシリーズ。


 訳あり商品も確認すべきチェックポイントを押さえておけば
失敗することなく、お得にお買い物できるわけですね。
このチェックポイントを、お直しのプロから教えていただければ怖いものなし?(笑)
そのようなトラブルの着物たちを、長年見続けてきた先生から教えていただけるのは心強いです。
この成果を試せる日が楽しみですね。


 今回は以前にも取り上げた「緑青」についてです。
内容が重複しますので、詳しくは
「■17■ 緑青(ろくしょう)」こちらを見てくださいね。

 緑青は着物に使う金彩に発生した青緑色の錆のことです。
せっかくの美しい金彩がこの緑青によって台無しになることが多々あり、
和装業界では問題の一つになっています。
 訳あり商品をお求めになる場合、
新しいものなのか古いものなのかは、この緑青の程度でも判明します。

 緑青は最初綺麗な緑色に変色します。
原因がベンジン用ソープの残留なら、
この初期段階では溶解力の強い溶剤での洗浄で落ちてしまうことがあります。
 変色は年月とともに茶色に変色し、やがては黒くなります。


 あ!そういえば。
新品の商品でしたが箔が黒ずんでいるものを仕立てに預かったことがあります。
金の残っているものと交じり合っていましたので、
購入された方は、初めからそのような色と認識されていたかもしれませんね・・・。
 耳が黄色く変色していましたから、作られてから長く置かれた商品だったのでしょう。
お店の方は古いものであることは分かっていらっしゃると思いますが、
箔の変色には気付いていらっしゃったかしら?


 売る側は当然分かっているでしょう。プロなのですから。
多分ベンジン洗いでのソープの残留が原因ですね。
すでに変色しているところからしてかなり古い物なのでしょう。

 変色が進むと洗い落とすことは不可能です。
茶色に変色した時点で生地の劣化が見られ、摩擦で破ける可能性があります。
単にシミだと思ってご家庭でベンジンを使ってのブラッシングは大変危険なことです。
 我々の作業での事ですが、上手くいけば漂白という手段で分からなくなる場合があります。

 購入はこれらのことを十分わきまえた上で決断してくださいね。

 アンティークでは金彩部分が緑青段階を通り越し真っ黒に変色したものがよく見られます。
ファンにとっては、これらの変色や退色なども魅力として目に映っていることもあるのでしょうね。


 そうですね。
変色で本来の色が褪せたり沈んだ色合いになっていたり、
アンティークはそのくすんだ色合いがいい雰囲気に感じたりするのですが、
それがトラブルに繋がっては何にもなりませんね。


 魅力となると人の汗や汚れなども気にならなくなるのでしょうか?
 私は潔癖な性格ですから、衣料に関してはちょっと引いてしまうかもしれません。
しかし、子供の頃から骨董品が好きで、錆も磨き込むとまた別の魅力を感じるのは理解できます。
 仏像などは黒い方が迫力を感じますね。
古いものの美しさは時間の経過も相まっているのですね。


 あぁ、そうですよね。
潔癖な方にとっては古着はあまり気持ちのいいものではないのでしょうね。
 私もあまりシミや汚れのひどい物は遠慮しますが、
状態のよいものなら多少のことは気にならないです。
だって、今にはない遊び心や色使いなどそれを越える魅力がありますもん。

 それに、私には先生という心強い味方がいますから!
(景先生、またお直しよろしくお願いしますねっ。笑)

 それから最後に、緑青は湿気なども原因になると以前教えていただきましたよね。
着用後はよく乾燥させてから収納するようにすればいいのですね?


 それはそうなのですが…
う〜ん、それだけではまた別の問題が発生するかもです。


 でも、着用後は乾燥させてから仕舞うのは常識ですよね?
何か問題でもあるのですか?


 一般常識と言われているもの中には
私からすれば
「ちょっと待って!」というものがあります。
ではこの問題は次回ということにしましょう。



次回は「■47■ Dr.景流 着物の管理 【1、着用後の乾燥?】」です。
お楽しみに!
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大宮華紋森本(染色補正森本)
| 訳あり商品の見分け方 | 22:30 | comments(0) | Dr.景 / 小夏 |

■45■ 訳あり商品の見分け方(8) 【未仕立て品 <4:染ムラ>】

JUGEMテーマ:着物 きもの


 染め斑(ムラ)とは、染め物が均一に染まっていない状態のことを指します。
それは模様場であったり無地場であったり様々です。
模様場のムラは手差し友禅の場合に多く、手作りの味と難との見解が難しいといえます。



 手作りならではの味と難物との見解ですか・・・・。
これは難しいですよね。個人の感覚にもよるでしょうし。


 そうです。
 手作りの味が分からずクレームをつける方もいれば、
明らかな失敗作を満足している方もいらっしゃいますね。
 見解とは、作り手側と見る者側とでも異なります。
つまりは手にしたご本人が心地良いか否かでしょう。



 なるほど。
「難と分かっていても好きだ」なんてことありますもんね。
「明らかな難物」でも、手にした方の想いが「味」に変えてしまうこともあるわけですね。
好きならば「痘痕もえくぼ・・・」でしょうか。(^^)


 さてここで取り上げたいのは、
一反の反物の中で極端に地色が濃淡に染め上がってしまったものや、
色目の違うものなどの難物
のことです。
 これらの難は反物状態では分かりにくく、お仕立て後に初めて発覚することが多いのです。
つまり本仕立てや仮絵羽など、合い口が合わさる事によって色の違いが見えてくるというものです。


 そうですね。反物の状態で広げてみただけでは、
明らかな違いがない限り各所の色の違いには気付き難いですよね。
 お預かりした反物でも、裁断のために各所を重ねてみて初めて色の違いに気付くことがあります。
そういう場合はお店の方も気付いていない場合がありますね。要注意です。
こういう染めムラはどのような商品に起こりやすいのですか?


 このような染ムラは浸染(焚き染め)ではほとんど起こらず、主に引き染めで発生します。
原因は様々で、染めの刷毛さばきや、染めるための下地の不手際の場合など。
さらには乾燥や蒸し(熱処理)の問題など、手作りの奥の深さを痛感させられます。

 これらは色ヤケと混同されることがありますが、
染めムラには前回お話した展示ヤケのようなパターンはありません。
ですから反物状態では殆ど見つけにくく、お直しが必要なものについてはお仕立て後になるでしょう。

 仮に反物状態で色違いが発覚した場合、
仕立てる前までに下直しをしておいた方が良い場合があります。
 それは仕立て上がってからの色合わせのリスクを少なくするためのものです。
 無地染めの場合で、直し代 が高額になる恐れのある時は
色抜きをして染め直した方が安くつく場合もありますから、業者とよく相談して下さい。

 ガード加工はもちろん仕立て後、問題がないか全てをチェックしてからにしましょう。
何度も申しましたように、これはガード加工が色掛け作業の妨げになるからです。


 色無地で「染めムラを色抜きをして染め直す」なんて事になったらちょっと悲しいですね。
お直しするより白生地から思い通りの色に染めてもらった方が気持ちがいいような・・・・?
そんな思いをしなくていいよう、判断・確認が出来るとよいのですね。




次回は、「■46■ 訳あり商品の見分け方(9) 【未仕立て品 <5:緑青(ろくしょう)>】」です。
お楽しみに!

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| 訳あり商品の見分け方 | 22:38 | comments(0) | Dr.景 / 小夏 |

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